じんじんの服薬指導風景⑦

薬剤師

こんにちは。

アスリート薬剤師のじんじんです。

今日もまた服薬指導風景シリーズです。今日は第7弾です。

今回もいつも同様、以下の点はご理解ください。

  • プライバシーに配慮して、趣旨を逸脱しない範囲内で一部脚色等を施しています。
  • あくまでもじんじんの個人的な経験であり、すべての方に一般化されるものではありません。
  • 患者様お一人おひとりで状況は異なりますので、ご自身に置き換えて読まれる場合にはご注意ください。
  • 本記事の内容を参考にして頂いたり、実際に真似て頂いたりした際に生じた結果について、当ブログおよびじんじんは一切の責任を負いません。

じんじんの服薬指導風景⑦〜不安が強い30代女性のケース〜

じんじん:こんにちは。

患者さん:(小さい声で)こんにちは。

じんじん:今日はお薬が2種類出ています。

患者さんのご主人:私が代わりに聞きます。本人はとても不安が強いので(と仰っている間に、ご本人はその場を離れて車の中にいかれてしまいました)。

じんじん:承知しました。

患者さんのご主人:すみませんね。

じんじん:大丈夫ですよ。今日のお薬は悲しくなったり、気分が落ち込んだりするのを軽くして、食欲や睡眠も改善してくれるお薬が1種類あります。これは寝る前に1錠飲んでいただくようお願いします。

患者さんのご主人:そうなんですね。寝る前に1錠ですね。

じんじん:はい。あと、不安が強い時に頓服で飲んでいただくお薬も1種類あります。これは食事や時間に関係なく、ご本人さんが不安で辛い時に1錠飲んでいただくようにお願いします。今日はこの2種類を1週間分お出ししますね。

患者さんのご主人:わかりました。

じんじん:副作用についてですが、お薬を飲んだ後や、翌朝に眠気が出ることがありますので、注意してください。もし眠気が強くて困るようならお電話で結構ですのでご連絡ください。

患者さんのご主人:はい。本人は不安が強いので、すぐ電話するかもしれませんけど、良いんですか?

じんじん:もちろん大丈夫ですよ。じんじんは今日は夕方は17時までは絶対にいますし、今週は明日以降土曜日まで病院にいますので、いつでも遠慮なく良いですよ。

患者さんのご主人:ありがとうございます。

ーーーーーーーー3時間後にお電話がかかってきてーーーーーーーー

患者さんのご主人:早速の電話ですみません。本人が、今日の夜寝る前の薬は先生から、心配なら1錠の半分から試しても良いって言われたみたいなんですけど、良いんですか?

じんじん:先生とそういったお話になっていたのであれば大丈夫ですよ。実際、このお薬は1錠の半分から飲み始められる方も多いですし、そうすることで副作用のリスクを減らすこともできますから。

患者さんのご主人:そうなんですね。本当にすぐに電話してすみませんでした。

ーーーーーー翌日の朝からまたお電話がかかってきてーーーーーーーー

患者さんのご主人:すみません。たびたび電話して。

じんじん:おはようございます。大丈夫ですよ。どうされました?

患者さんのご主人:妻が不安でたまらないからと言って、頓服を飲んだんですけど、その頓服薬に対しても不安になっているようで。飲んで良かったんですよね?

じんじん:初めてのお薬なので不安になるのも当然ですよ。それをまずご本人さんに伝えて差し上げてください。その上で、不安が強くて頓服を飲んだのは正しい選択だったと伝えてください。

患者さんのご主人:ありがとうございます。本人に伝えますね。

じんじん:ところで、昨日の夜に1錠の半分のお薬を飲まれたと思いますが、朝の眠気はどうでした?

患者さんのご主人:全然大丈夫だったみたいです。それよりも不安が強くて辛いと。

じんじん:副作用が出ていなくて良かったです。それであれば、不安を軽減する働きも期待できるので今夜は1錠で飲まれた方が良いでしょうね。

患者さんのご主人:わかりました。ありがとうございました。

ーーーーーーその1時間後にまたお電話がかかってきてーーーーーーーー

患者さんのご主人:今日の夜は1錠飲もうって伝えたんですけど、本当に大丈夫かなぁって不安みたいで。

じんじん:そうですね。やっぱり不安ですよね。でも、お話をお伺いしていると、今は副作用よりも効果を得ることのほうがメリットが大きいと思います。もし明日になって副作用など何か困ることが起きたらまた電話していただいて大丈夫ですから。

患者さんのご主人:本当にこんなに何回も電話して良いんですか?お忙しいのに迷惑じゃないですか?

じんじん:お気になさらずお電話ください。ただでさえ不安が強くて辛いのに、お薬に対する不安を解消せずに飲むのはもっと辛いと思いますから。気になったら解決しましょう。そうご本人にもお伝えください。

患者さんのご主人:ありがとうございます。そんな風に言っていただいたのは初めてです。本当にありがとうございます。

じんじんの服薬指導ポイント

  • ご本人が辛ければ、無理に同席してもらわずご家族に説明。
  • 副作用の可能性は隠さず(でも過剰に不安にならないよう配慮しながら)お伝えする。
  • 心配事、困り事があれば電話相談OK.
  • 電話相談がありそうな患者さんの場合、自身の対応可能な日にちや時間帯をお伝えする。
  • 電話がかかってきたら、何度でも真摯に対応する。

もちろんじんじんも人間なので、忙しい時間帯や、自分に余裕のないタイミングでお電話があると、一瞬「ムムム…」となります。

でも、辛いのは圧倒的に患者さんです。

だからじんじんは深呼吸をして電話に出ます。

同じ話でも、多少回りくどい話でも、まずはしっかり聴きます。

その上で、きちんと回答します。

薬剤師なので、お薬の知識に基づいて回答するわけですが、相手は人間です。

相手の心情や不安などにも配慮して、丁寧に対応するよう心がけています。

患者さんから電話相談があること、それは”信頼の証”だと思って嬉しく思っています。

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