こんにちは。
アスリート薬剤師のじんじんです。
今日は服薬指導風景シリーズの第15弾です!
今回のテーマは『気分の病気で血液検査??』です。
いつものように、以下の点をご理解いただいた上でお読みください。
- プライバシーに配慮して、趣旨を逸脱しない範囲内で一部脚色等を施しています。
- あくまでもじんじんの個人的な経験であり、すべての方に一般化されるものではありません。
- 患者様お一人おひとりで状況は異なりますので、ご自身に置き換えて読まれる場合にはご注意ください。
- 本記事の内容を参考にして頂いたり、実際に真似て頂いたりした際に生じた結果について、当ブログおよびじんじんは一切の責任を負いません。
なぜここで採血??-不審に思う患者さん。
今回の患者さんは50代の女性の患者さんで”Mさん”です。
病名は双極性感情障害。躁うつ病と呼ばれることもあります。
気分の波があり、テンションが高かったり行動的になったり、時には社会的なルールを逸脱した行動をとってしまったりする躁状態と、気分が落ち込んで意欲が出ないうつ状態を繰り返す病気です。

Mさん、こんにちは

あら〜、じんじん先生~、こんにちは。
今日は全然寝てないのよ~。
でもすごく元気で、今からヨガ教室の申し込みに行こうと思っていて。

全然寝てないのにすごく元気ですね。
先生から気分が上がり気味って言われたんじゃないですか?

え~、なんでわかるの?
先生はそんな言ってたわ。
薬を追加するって言ってたし、
今日は採血もするとか言われたんだけど。

そうですね。お薬が2種類増えていますね。

薬が増えるのはいいけど、なんで採血するの?
私は気分の病気なのに、なんで?
ここの病院は検査代で稼ごうとしてるんじゃないの?

いやいや、そういう訳じゃないんですよ。
でも、「なんで?」って思いますよね。
じつは…

今日追加になったお薬は血糖値が高い方には使えないお薬なんです。
それで、このお薬を飲んでいただく方は皆さん血液検査で血糖値を確認させていただくんです。
あとで大きな副作用につながったらMさんも嫌だと思いますし。

へ~、そんなお薬もあるのね。
じゃあ今回だけでいいのよね?

それが、そうでもないんです。
もう1種類お薬が増えているんですけど、これはお薬の量が多すぎると副作用が出やすい薬でして。
同じお薬の量を飲んでも、人によって血液の中のお薬の濃度に差が出たりするんですよ。
それで、しばらくは定期的に血液検査で、血液中のお薬の濃度を測らせてもらうことになると思います。

あら、そうなのね。
まあ、私は採血とか全然大丈夫だからいいわよ。
後になってひどい副作用が出たりするのは嫌だし。

そう仰っていただけてありがたいです。
また気になることがあったら遠慮なくお尋ねくださいね。
じんじんの服薬指導ポイント
気分の病気の治療に使うお薬でも、血液検査が必要なお薬があります。
しかし、患者さんの多くは、「気分の病気」や「精神的なもの」なのに、どうして身体の状態を調べる血液検査の必要があるのか不思議に思われるようです。
ここは薬剤師がしっかりとご説明する必要がありそうです。
- なぜ血液検査が必要なのか
- 今後の検査の見通しはどうなっているのか
じんじんはこの2点は確実にお伝えするようにしています。
お薬そのものの説明は当然ですが、正しく安全にお薬を使っていただくために必要な情報も薬剤師がしっかり伝えていく必要がありますね。
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