薬物乱用防止教室 2023年度ver

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こんにちは。

アスリート薬剤師のじんじんです。

「ブログ再開します!」と宣言してはや一ヶ月が経ちました。

一ヶ月ぶりの更新ということですね。申し訳ありません。

さっそくですが、今回はまた薬物乱用教室に関する内容です。

なぜじんじんは薬物乱用防止教室が好きなのか。

理由その1 学校薬剤師だから

じんじんは精神科の病院に勤務しながら地元の中学校を担当する学校薬剤師でもあります。

「学校薬剤師」というのは聞き慣れない方も多いかもしれません。

東京都の薬剤師会がわかりやすく説明してくれていましたので引用させていただきます。

学校薬剤師は、学校保健に携わり、学校の施設設備の管理、指導を行うことによって子どもたちの快適な教育環境を守っています。 
また、くすり教育や薬物乱用防止等についても指導、助言を行っています。
学校薬剤師は、幼稚園から高等学校までの全ての学校に必ず任命されなければならないことが学校保健安全法で定められています。

東京都薬剤師会

じんじんも担当中学校での活動の一環として薬物乱用防止教室を毎年実施しています。

理由その2 精神科の病院に勤めているから

ただ、じんじんの薬物乱用防止教室は一般的なそれとはちょっと違います。

じんじんは精神科病院に勤めていますから、実際に薬物依存症やその一歩手前の患者さん、アルコール依存症の患者さんなどと直接お会いする機会に恵まれています。

そして彼ら、彼女らの生の姿を見、生の声を聞き、ときには人生の多くのできごとを教えていただくことができます。

その結果、従来型の「ダメ、ゼッタイ」の薬物乱用防止教室がいかに現実にそぐわないものかを実感するに至り、「じんじんにしかできない薬物乱用防止教室をやろう!」となったのです。

理由その3 大学〜大学院での経験

あとは、大学〜大学院で薬物依存症の研究をかじったというのも影響しているかもしれません。

じんじんはネズミたちに協力してもらって、麻薬や覚醒剤などの脳に与える影響を研究していました。

道半ばで研究の道から離れることになってしまったのは悔やまれるところではありますが。

薬物乱用防止教室2023年度ver

地元中学校での薬物乱用防止教室の状況

2023年度もあと二ヶ月になっていますが、先月末に担当中学校で薬物乱用防止教室を実施してきました。

地元の小さな中学校で、対象の生徒さんは2年生の26人でした。

じんじんはマンモス校出身で、小学校、中学校、高校とも全校生徒1200人以上だったので、毎年のことですが1学年が1クラスで1つの教室に収まってしまうことにちょっとした驚きを感じます。

事前に養護の先生に今年の2年生の雰囲気をお尋ねしたところ、「休み時間は元気だけど、授業中はシャイになる」とのことでした。

そこで、あえてロールプレイなどは組み込まず、じんじんのお話しと、生徒さん自身の中で考える時間を設けるような問いかけ設定ということで準備をしました。

本当はここで全ての内容をご紹介したいところですが、1月の記事でもお伝えしたとおり3月に東京での薬物乱用防止教室が予定されておりますので、そこはちょっと内緒にさせていただきます。

それでも今回の中学校での薬物乱用防止教室のポイントは簡単にですがご紹介したいと思います。

参考にした書籍など

まず、参考にさせていただいたのはじんじんが勝手にかつ一方的に尊敬している精神科医である松本俊彦先生のご著書です。

たくさんのご著書のある先生ですが、専門性の高いものから10代の子どもたち向けに優しく書かれたもの、専門職の声をまとめたものなど本当にさまざまな視点の書籍があります。

その中でも今回と3月の薬物乱用防止教室で特にお世話になったご著書を紹介させていただきます。

  1. 世界一やさしい依存症入門〜やめられないのは誰かのせい?/ 初版 2021年8月30日/ 出版社 株式会社河出書房新社
  2. 「助けて」が言えない 子ども編/ 初版 2023年7月10日/ 出版社 株式会社日本評論社
  3. 「死にたい」に現場で向き合う〜自殺予防の最前線/ 初版 2021年2月15日/ 出版社 株式会社日本評論社
  4. 「助けて」が言えない〜SOSを出さない人に支援者は何ができるか/ 初版 2019年7月15日/ 出版社 株式会社日本評論社

特に「1. 」の本が大変参考になりました。

というか、この本のおかげでじんじんは日頃の自分の考えに自信を持てました。

そして何より説明がわかりやすい。正直に言いますと、じんじんの今年度の薬物乱用防止教室のPowerPointにはこの本からの抜粋やこの本をもとに作図したものが多用されています。

もちろん著作権に配慮し、盗作にならないように注意するとともに、参考・引用文献として明記させていただきました。

学校関係者や精神科医療に携わる方、学校薬剤師の先生方にはぜひご一読いただきたいと思います。

市販薬のことも忘れないで

皆さんは薬物乱用防止教室というと麻薬や覚醒剤、古いものだとシンナーなどの話を思い浮かべるかもしれません。

そして最近では大麻が各方面で話題になっているので、身近に感じられるかもしれません。

有名大学での大麻使用や大麻グミによる健康被害など、一時期は連日のようにニュースや情報番組で取り上げられていましたね。

でも、もっともっと身近なものがあると思いませんか?

お金を出せばすぐに買えるもの。

使っても違法じゃないし、逮捕もされないもの。

そう。医薬品です。

「えっ?医薬品って病院で診察受けて処方箋もらって薬局で〜ってやつでしょ」と思われるかもしれませんが、ドラッグストアなどでも普通に売られています。

最近ではこの『市販薬』の過剰摂取が大きな問題になっているのです。

これが今年度のじんじんの薬物乱用防止教室の中の大きなウエイトを占める部分です。

市販薬の過剰摂取は通称OD(オーディー;overdose intake)と呼ばれています。

インターネットやSNSで検索するとものすごい量の真偽不明の情報や当事者の声が出てきます。

当事者の声を知るために

もちろんじんじんのように精神科の病院に勤務していたり、精神科医療が身近にある方にとっては「生の声」に触れるチャンスがたくさんあるかもしれません。

あるいは、回復のための施設(ダルクやAAなど)と繋がりのある方にとっても身近に感じられるかもしれません。

でも、少し古いものですがとてもリアルで、ある意味読みやすく書かれた書籍があります。

参考にした書籍 その2

南条あやさんという方の日記をお父様が書籍化されたものです。

医療用医薬品の名前がたくさん出てきて、どんな薬は想像しづらい部分はあるかもしれませんが、医薬品のODの悲しい結末までが軽妙な語り口で綴られています。

今年度のじんじんが一番伝えたかったこと

それは…

一番傷ついているのはおそらく本人じゃないかな.

もともと悩みや苦しみ, 心の痛みを抱えていた.そのうえ, 依存症で健康を害し, 生活が壊れ, 場合によっては差別や偏見にさらされるんだから.

人と繋がれなくて孤立していたから依存症になったのに, 依存症になったことでもっと孤立を深めて回復から遠ざかってしまうんだから.

依存症にはならない方がいい. 

でも, 依存症になったからといって, 人生おしまいじゃない. 

人は失敗するでもそこから立ち直ることもできる.

もう、頭ごなしに「ダメ、ゼッタイ」と言い、「薬物を使用したら罰を与える(から使うな!)」という薬物乱用防止教室は撲滅したいくらいです。

「じんじんの薬物乱用防止教室」への依頼もお待ちしています

本記事をご覧いただき、「じんじんの薬物乱用防止教室をぜひやってほしい!」というい方がもしおられましたらお問い合わせフォームからご連絡ください。

実際にこのパターンでご連絡をいただき、実現するのが3月の東京都の薬物乱用防止教室です。

もしご連絡をいただいた場合には、できる限り前向きに検討いたします。

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