じんじんの服薬指導風景③

薬剤師

こんにちは。

アスリート薬剤師のじんじんです。

今回は服薬指導風景シリーズの第3弾です!

前の2回と同様、ご注意いただきたいことを再掲させていただきます。今回もお読みいただく際は以下の点はご理解ください。

  • プライバシーに配慮して、趣旨を逸脱しない範囲内で一部脚色等を施しています。
  • あくまでもじんじんの個人的な経験であり、すべての方に一般化されるものではありません。
  • 患者様お一人おひとりで状況は異なりますので、ご自身に置き換えて読まれる場合にはご注意ください。
  • 本記事の内容を参考にして頂いたり、実際に真似て頂いたりした際に生じた結果について、当ブログおよびじんじんは一切の責任を負いません。

それでは今回の服薬指導風景に参りましょう。

じんじんの服薬指導風景③〜不安障害の60代女性のケース〜

今回は久しぶりに来院された患者さんのケースです。

約5年ぶりの受診でした。

60代の女性の患者さんで、不安、不眠、食欲低下が主な症状のようでした。

じんじん:お久しぶりですね。

患者さん:あ〜、まだここにおられたんですね。

じんじん:そうなんですよ。覚えていてくださったんですね。ありがとうございます。今日はだいぶ久しぶりですが、どうされたんですか?

患者さん:また調子が悪くなっちゃって。なんとなく漠然と不安なんです。そのせいか、眠れないし、食事も入らないんです。また以前のように逆戻りって感じで。

じんじん:不安で眠れなくて、食事も入らないんですね。そして、以前に戻ったような感じがすると。以前に戻った感じがするというのも結構ショックだったりするんじゃないですか?

患者さん:そうなのよ。また前にみたいに辛い生活になるのかなぁ…なんて考えて。お薬も飲まなきゃなんでしょ?

じんじん:そうですよね。お薬は3種類ですね。1つは以前も飲んだことのある■■です。あとの2つは✖️✖️と△△というお薬ですね。

じんじん:以前■■を飲んでおられた時には、飲み初めの頃に「ちょっとムカムカする」と仰っておられたようですね。今回も同じように少しムカムカするかもしれませんが、飲み続けているうちに軽くなっていく可能性が高いので、安心してくださいね。

患者さん:前も飲んでたお薬なのね。だったらまあ安心かしら。

じんじん:あとの✖️✖️と△△は…(それぞれの効果や飲み方をご説明)

患者さん:わかりました。

じんじん:以前おいでになられていた時は、調子が良くなって通院をやめられたんでしたっけ?

患者さん:そうね。もういいかなぁと思って勝手にお薬飲むのをやめちゃったの。それで通院もそこまでに。

じんじん:そうだったんですね。調子が良くなると、お薬はもういいかなって思いますもんね。ただ、一部のお薬には再発予防の意味もあるんですよ。ですから、調子が良くなってもしばらく飲み続けたほうが良いんですよ。

患者さん:そうなのね。でも、長く薬を飲むのって心配じゃないですか。

じんじん:長くお薬を飲み続けるのが心配なお気持ちはわかります。そうですよね。でも、長い目で見た時、再発予防のための期間まで含めてお薬を飲み続けた方が、良くなったり悪くなったりを繰り返す可能性を減らせますし、結果的にはお薬を飲む期間を短くすることになるかもしれないですね。

患者さん:ふーん。じゃあ前回もう少し飲み続けていたら今回みたいにまた悪くなるってことがなかったかもしれないってこと?

じんじん:もちろん100%ではないですが、その可能性も否定はできないですね。ですので、今回は「ある程度飲み続けた方がいいらしい」ということを頭に入れておいてください。ただ、飲み続けるとなると、いろんな不安や心配が出てくると思いますから、そういう時は遠慮なくおっしゃってください。一緒に考えていきますので!

じんじんの服薬指導ポイント

今回の患者さんはしばらく治療中断しておられた方です。

治療中断歴のある患者さんには「必要な期間、しっかり飲み続ける」ことの大切さをお伝えしたいと思っています。

今回のポイントとしては

  • 患者さんの言葉の繰り返し・おうむ返し
  • 過去の記録などを確認し、できる限り以前の情報を把握
  • 再発・再燃(一回良くなったけどまた悪くなった)の場合、患者さんは「またか…」というショックを味わっていることに配慮
  • 過去の副作用歴や効果については正しく伝えることで患者さんの安心につながる(患者さん自身は覚えていないことも多い)
  • 以前のこと(今回でいうと服薬・通院の自己中断)を責めない。でも、今回は同じことを繰り返さないよう伝える。
  • 服薬継続のためにはいつでも相談できること、一緒に治療に取り組んでいくことを言葉にしてお伝えする。

精神疾患の多くは”再発・再燃”のリスクが比較的高いと言われています。

じんじんは”再発・再燃をできるだけ防ぐような関わり”、”再発・再燃に至った時にそれに寄り添う関わり”、これが大事なことなのかなと思いながら服薬指導に取り組んでいます。

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