みなさま、大変ご無沙汰しております。
アスリート薬剤師のじんじんです。
また更新間隔が空いてしまい、申し訳ございません。
今回は久しぶりに薬剤師のテーマで書こうと思います。
じんじんは過去にも紹介させていただいた通り、精神科の病院で薬剤師として働いています。
このブログをご覧の方の中で、精神科の病院について具体的にイメージできる方はどれくらいおられるでしょう。
患者様の立場あるいは、医療にあまり馴染みのない方の立場だと、
「怖い」とか「暗い」とかネガティブなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
あるいは、薬剤師としてお仕事をしておられる方の立場だと、
「精神科の患者さんの服薬指導って苦手」とか「精神科の患者さんとの接点がないからイメージできない」といった方も少なくないのではないでしょうか。
はっきり申し上げますと、じんじんは服薬指導が大好きです!
そして手前味噌ですが、得意な方だと思っています。
服薬指導?
そもそも「服薬指導って何?」という方もおられるかもしれません。
服薬指導とは、71社の製薬企業からなる業界団製薬協(日本製薬工業協会)のホームページでは以下のように解説されています。
薬剤師が患者さんに、くすりの正しい使い方に関する説明をおこなうことです。くすりは正しく使われてはじめて有効なものとなり、そのために「服薬指導」はとても大切です。
https://www.jpma.or.jp/about/msg/
つまり、患者さんに正しくお薬を使っていただくために、いろいろとお話しさせていただくことです。
ただ、じんじんは「指導」とか「説明」というよりも「お薬について患者さんとお話しすること」「お薬とちょっとでも関係ありそうな相談対応」と捉えています。
そんなじんじんの服薬指導風景をみなさまに共有できれば、精神科を受診しようか迷っている方や、あるいは精神疾患の患者様に苦手意識を持つ薬剤師さんにとって少しくらいはお役に立つのではないかと思い、テーマにしてみようと思いました。
このテーマは今後もできるだけ多くの記事を書いていこうと思っていますが、お読みいただく際は以下の点はご理解ください。
- プライバシーに配慮して、趣旨を逸脱しない範囲内で一部脚色等を施しています。
- あくまでもじんじんの個人的な経験であり、すべての方に一般化されるものではありません。
- 患者様お一人おひとりで状況は異なりますので、ご自身に置き換えて読まれる場合にはご注意ください。
- 本記事の内容を参考にして頂いたり、実際に真似て頂いたりした際に生じた結果について、当ブログおよびじんじんは一切の責任を負いません。
それでは今回の服薬指導風景に参りましょう。
じんじんの服薬指導風景①〜うつ病の40代女性のケース〜
40代の女性で、病名はうつ病。
3年ほど通院しておられて、しばらくは元気にお過ごしでした。
ここ1週間くらいで気分が沈んで悲しくなって、食欲がなくなって、夜も眠れなくなってきたそうです。
患者さん:調子悪くなっちゃいました。
じんじん:調子が悪くなったんですね。どんなふうに悪いですか?
患者さん:悲しくて、元気が出なくて、食欲も落ちたし、夜も眠れなくて。
じんじん:悲しくて元気が出なくて、食事も睡眠もうまくいかないんですね。それは辛いですよね。
じんじん:何かきっかけがありました?
患者さん:う〜ん。特別なきっかけっていうのは思いつかないです。
じんじん:そうなんですね。きっかけが思いつかない中で調子が悪くなったのであれば、そのこと自体もショックですよね。
患者さん:はい。すごくショックで。
じんじん:(小さめの声で)消えたいなって思ったり?
患者さん:(うなずく)
じんじん:(小さめの声で)死にたいっていうよりも、消えたい?
患者さん:(消えそうな声で)はい。
じんじん:そんなに辛い時によく病院に来てくれましたね。きつかったでしょう。
じんじん:今日は〇〇というお薬と、△△、◇◇というお薬が出ています。
〜この後、それぞれのお薬の働きの概要と、飲み方、日数をご説明しています〜
じんじん:あと、ちょっと不安にさせるかもしれませんが、大事なことなので正直にお伝えしますが、今日お渡しするお薬には✖️✖️のような副作用が出る可能性があります。
患者さん:わかりました。
じんじん:お薬を飲んで、副作用かなと思った時や、副作用かどうかわからないけど、なんか今までと違うなとか、気になるな、心配だなと思うことがあれば、遠慮なく電話してください。じんじんを名指しで電話していただければ、私が電話に出て直接お伺いしますので。
患者さん:わかりました。
じんじん:それでは今日は本当にご苦労様でした。お大事に。
以上が大まかなやりとりです。
*お薬の個々の名前や説明、副作用の詳細については誤った理解や誤解につながる可能性がありますので、伏せさせて頂いています。
じんじんの服薬指導ポイント
- 患者さんが仰ったことをおうむ返しすることで共感を示し、誤りがないか確認。
- 死にたい気持ちをきちんと話題にする。ただし、患者さんとの信頼関係の程度によっては次回以降に持ち越すことも。
- 患者さんにとって「死にたい」と「消えたい」は違うことに注意!
- 副作用について正直に説明する。ただし、過度な不安につながらないような配慮をしながら。
- 困った時、心配な時はいつでも電話で相談できる体制をお伝えし、安心していただく。
自身の服薬指導風景を共有するということ自体が初めての試みなので、なかなか文字・文章でお伝えするのは難しく、イメージしづらいかもしれません。
申し訳ありません。
それでも、今後もじんじんの服薬指導風景を共有していくことで、ブログで読者の皆様に伝える技術も向上させていきたいと思います。
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